忍者ブログ
自分のこと、人間のこと、人生のこと。ときどき立ち止まっては書き込んでいきます。
[PR]
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

『思い出のマーニー』感想
ジブリ最新作『思い出のマーニー』を観てきました。

監督は『借りぐらしのアリエッティ』の米林さん。
アリエッティがとても気に入っていたので、今回も期待して観ました。
結果はというと…その期待を遙かに上回る素晴らしい作品でした。

まず目を奪われるのは絵の美しさ。
ここはさすが安心安定のジブリといったところで、もちろん予想の範囲内です。
それなのに見入る。泣きそうになるくらいぐっとくる。
音楽の使い方と演出の上手さも相まって、タイトルが出てくるまでにもうじわっときてしまいました。
全体を通してアリエッティ同様、寧ろそれ以上に丁寧なつくりです。

序盤で杏奈に感情移入する人は多いのではないでしょうか。
年頃の女の子の有り様が非常にリアルに描かれています。
かくいう私も(もう年頃ではありませんが)心の底から共感してしまいました。
あとものすごくどうでもいい話ですが、彼女のビジュアルが個人的に大変好みできゅんきゅんしました。
この年齢でこうなら、数年後にはどれほど格好良く美しい女性になっていることか…!

声優陣も素晴らしかったです。
杏奈の生き生きとした演技も好きでしたし、地味に大岩さんちの旦那さんの声が自然すぎてびっくりしました。
実際にいそうというか、町中で聞こえてきそうというか。あれはすごいです。

あとは主題歌。こちらも素敵でした。
アリエッティのときもセシル・コルベルの奏でる主題歌に惚れ惚れしましたが、米林監督は音楽のセンスが大変に良いですね。
これを聴いて嫌な気持ちになる人はいないだろうな、という、優しく美しい曲でした。

人物や物語について深く語るとネタバレ不可避になってしまうので控えますが、一点だけ。
巷で百合だ百合だと騒がれているようですので、その辺の見解をば。

私もマーニーが登場して以降、例に漏れず、百合だ…!と思いました。
ヒロインは二人とも女の子。
手を取ったり、抱きしめ合ったり、嫉妬したり、守ってあげたり、好きだと言ったり。
恋愛かどうかはさておき、少なくとも普通の友情の範囲には収まらなさそうです。
なので、観る人がこれを同性愛として見ても何ら間違いないと思います。

私の記憶が合っていれば、これまでのジブリには同性愛的な描写は皆無だったかと思います。
なのでとても衝撃的で、新鮮で、同時にじんわり嬉しくなりました。
生々しい話や現実的なあれこれについては話題が逸れてしまうので今は置いておくとして、私個人としては、同性同士の愛は尊いと思っています。
異性愛や家族愛とまったく等しく。
それをこうしてメジャーな場で堂々と描いてもらえたのが、とても嬉しかったです。

ところが!
お話が進んでいき、終盤ですべての謎が解けると、これらの見え方がひっくり返ります。

あの入江で、わたしはあなたを待っている。
永久にーー。
あなたのことが大すき。

上記のキャッチコピーごと、見事なまでにひっくり返ります。
なので、二人のことを百合だと言ってもいいし、百合じゃないと言ってもその通りなんですよね。
この辺の描き方が本当に秀逸で、深みがあって素晴らしいです。
こればかりは最大級のネタバレなので語れません。
未見の方はぜひ映画をご覧になってみてください。

何分の作品だったのか、とても長く濃密に感じました。
上映中、何度もぽろぽろと涙がこぼれました。
見終わって席を立つ頃には、胸の中がすっかりデトックスされていました。
公開中にもう一度観たいと思った映画は、もしかしたらこれが初めてかもしれません。

重ね重ね、素晴らしい作品でした。
PR
comments**
yourname ()
title ()
website ()
message

pass ()
- 13 - 12 - 11 - 10 - 9 - 8 - 7 - 6 - 5 - 4 - 3
prev  top next
プロフィール
HN:
まなか
自己紹介:
創作や紅茶が趣味の元プログラマー。
新卒入社した会社を2年と1ヶ月で辞め、次のステップに向けて充電中。
マイペースに生きています。
リンク
BACKGROUND / tudu*uzu
TEMPLATE / Lenny
忍者ブログ [PR]