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自分のこと、人間のこと、人生のこと。ときどき立ち止まっては書き込んでいきます。
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就活を柔らかい頭で考える
そういえばもう12月、世の大学三年生がこぞってリクルートスーツを着始める頃だな…と思ったら、今年から企業の採用活動が3月スタートになるんですね。
あちこちで物議を醸したあの計画が遂に始まるのかと思いつつ、今回その話題は一旦よそに置いておいて。

ちょっと時期尚早かもしれませんが、思い立ったので今書きます。
そろそろそわそわし始めている就活生もいるかもしれませんし。

最初に私がどんな人間か簡単にお話ししておきますと、
  • 2012年度就活生(学部生)
  • 新卒でIT企業にプログラマーとして入社
  • 2年と1ヶ月で退職
  • 7ヶ月無職、うち3ヶ月Web制作の職業訓練校に通う
で、今まさにフリーランスのWebデザイナーとして開業しようという、若手のひよっこです。
それでは早速。


▼ うまく言えないけど、なんかおかしい


就活だ!
リクナビだ!
マイナビだ!
日経新聞だ!
自分探しだ!
業界研究だ!
OB訪問だ!
合説だ!
大企業だ!

就活のシーズンになると、学生たちが一斉にそんなことを言い合ってざわざわ動き出します。
(一部の人はもっと前からもぞもぞ動いているかもしれませんが。インターンとか何とか)

誰も彼も一様にリクルートスーツに身を包み、染めていた髪は黒くなり、東京ビッグサイトに黒軍団の大行列を成し、張り付いたような笑顔にギラギラした目で、何かにつけて意識の高さをアピールし、会社に“採用してもらう”べく奔走する。
自由気ままだった学生たちが凄まじい変貌ぶりを見せます。
「この波に乗り遅れたら負け組だ」的な、何だかよくわからない圧力を全身に感じるようになります。

かく言う私は当時、この異様な現象にとてつもない気味の悪さを覚えました。
ただ、心は断固拒絶していたものの、大学院に行くつもりはないし、だったら働かなきゃいけないし、それならやるしかないし…と、しぶしぶこの奇妙なイベントに参加していました。

こんな風に、就活に対して「上手く言えないけど、なんかおかしい」と強烈な違和感を感じている人、相当数いるんじゃないでしょうか。
その違和感、何かの拍子にうっかりなくしてしまわないよう、大事に抱えておいてほしいのです。
実際おかしいんです。
「就活 おかしい」とかで検索すると、就活の何がどうおかしいのか、無数の指摘がわらわら出てきます。

就活の何がどうおかしいのかについては、上記など他のソースにお任せしておきます。
この記事では、何やら鬼気迫るような『就活』というイベントについて、もっと落ち着いて、俯瞰して、柔らかく考えてみようというところを書いていきます。


▼ そもそもなんで就活するんだっけ


これ。就活の急き立てられるような圧力に気圧されて、結構忘れがちですよね。
就活、就活、就活…と視野がどんどん狭くなる前に、そもそものところをじっくり考えて押さえておくと、後々迷走したり病んだりせずに済むと思います。

大学三年=就活、ぐらいの勢いで定着しているこのイベント。
何のためにやるかと言えば、言うまでもない、就職するためですね。

では、何のために就職するんでしょうか。
どうして今、躍起になって就職しなければならないんでしょうか。

みんなやってるから、やらなきゃなんかやばそうな気がする?
ふざけているようで、真面目な話、案外こういう人も多そうですよね。
実際、就活の圧力って有無を言わせないような強力さで迫ってきます。
無理もないと思います。

新卒で正社員になれなきゃ人生終わりだから?
冷静に考えれば明らかに近視眼ですが、実際当事者はそれぐらいの鬼気迫る感覚があるんですよね。
現に就活が原因で鬱になる人、果ては自殺してしまう人も大勢います。
かく言う私も秋まで内定が出ず、ぼろぼろの精神状態になりました。

でもちょっと落ち着きましょう。
「人生終わり」って、具体的にどういうことでしょうか。
誰かに殺される!とか、物理的に死んでしまうわけではなさそうですよね。
多分、何らかの状況のことをそう表現しているのだと思います。
それはどんな状況でしょうか。
そして、その状況にある知り合いの人が身の回りにいるでしょうか。
その人は「人生終わってる」でしょうか。
あるいは楽しく、あるいは必死に、あるいは充実して、あるいは苦労して、あるいはのんびり、生きていませんか?
みんなそれぞれ、別々のやり方で一生懸命生きていませんか?
「人生終わり」と形容するほど、深刻な暮らしぶりでしょうか?

おや?と思っていただけたなら嬉しいです。

話を少し戻しましょう。
就職に必要以上に躍起になることはない、ということはおわかりいただけたかと思いますが、そもそも論として「就職」って何でしょうか。

職に就く、つまり、お金を得る仕事をする、ということでしょうか。
どうすればお金を得る仕事をできるでしょうか。
会社員になる。それ以外は?
公務員になる。
バイトやパートで働く。
家業を継ぐ。
起業する。
思えばいろいろな仕事の形がありますね。
就活と言うと、企業の新卒採用!って直結してしまいがちですが、どうも選択肢は会社勤めだけではなさそうです。

もっと言えば、大学卒業後の道って就職だけじゃありませんよね。
パッと思いつくところで、大学院とか。
将来の目標に向けて資格の勉強とか。
夢に向かって師匠のもとに弟子入り修行とか。
結婚して専業主夫・専業主婦とか。
バックパック背負って世界を旅するとか。
とりあえず誰かの仕事の手伝いをしてみるとか。
疲れたので一旦休養とか。

おや?と思っていただけたなら、とても嬉しいです。

  • 就活は就職するためにやる。就職には正社員以外にも様々な選択肢がある。
  • 卒業後の道は就職以外にも様々な選択肢がある。

就活って、特定の進路に進むための単なる一手段なんですね。
実は相当限定的なお話なのです。
誰もが絶対やらなければならないこと、では断じてありません。

一見、言うまでもない当たり前のことに見えるけれど、案外これが周りに流されて頭からスポーンと抜け落ちたりするものです。
それでも私は就活する!という場合にも、このことはぜひ念頭に置いておくと、後々むやみに追い詰められずに済むと思います。


▼ 大企業、正社員、ほんとにそれがベスト?


就活で吹き込まれる価値観といえばこれ。
大企業に勤めなきゃ! 中小とか、なんかちょっとないし。
正社員にならなきゃ! 派遣とかバイトとか、なんか不安定そうだし。

ここまで短絡的でなかったとしても、大企業志向、正社員志向は実際根強いです。
しかもその理由が、上記のような「なんか○○」みたいな先入観によるものだったりします。

実際、就活当時の自分は正社員志向でした。
理由は「安定してそうだから、なんとなく安心できるから」という超ありがちなふわふわしたイメージを持っていたから。
あとは「新卒を逃すと正社員になるのは難しい“らしい”」というのもありますね。
これもやっぱり噂やイメージの域を出ていません。

大企業、正社員、本当にそれがベストと言い切れるでしょうか。
他の選択肢、どれくらい知っていますか。
それぞれのメリットデメリット、しっかり調べた上で決めていますか。

…厳しいこと言っておいて何ですが、これ、学生にとってはちょっと酷な要求かもしれません。
というのも、私自身がまさにそうだったのですが、どんなにあれこれ調べても、働いたことないから実感として理解できないのです。
結局はやってみなきゃわからないんですよね。(実際その通りでした)

なので、大企業・正社員になんとなくこだわるのは一旦いいとして、その根拠って実はすごく不確かなんだと自覚して、他の選択肢を問答無用でシャットアウトしないようにするといいと思います。
実感が湧かなくてもいいので、調べるだけ調べておく。
これ以外の選択肢はあり得ない!みたいに視野が狭くなると、追い詰められてしまうかもしれないのでご注意ください。


▼ 正直なところ、どうしたい?


実は就活するに当たって一番大事なのってここだと思うんですね。
私が就活当時、一番できていなかったのもここです。
結果、三年もたずに辞めました。
詳しくはこちらの記事をどうぞ「私が会社を辞めた理由」

とりあえず…とか、仕方ないし…とか、みんなやってるしなんとなく…とか、現実的に考えて…とか、ありとあらゆる言い訳を抜きにして。
本当は何が好きなのか。
本心ではどうしたいのか。

立派でなくていいです。
だらしなくていいです。
格好悪くてもいいです。

疲れたしちょっと一年ぐらいぼーっとしたいなーとか。
好きなだけ家でゲームやってたいわーとか。
世界一周旅行したいなーとか。
実はバンドで食っていきたいんだよねーとか。
田舎で野菜作りとかちょっと面白そうなんだよねーとか。
なんかもう何もかも投げ出して一旦立ち止まりたいなーとか。

わからない、でもいいです。
ごちゃごちゃとした思考に阻まれて、本心が見えないのはよくあることです。
怖くても、ちょっと頑張って自分自身に真正面から向き合ってみる。
わからないなりに一生懸命向き合って、考えて、片鱗だけでも掴むといいです。

そして、その本心を絶対にないがしろにしないでください。
その本心を開放する方向に進むようにしてください。

たとえば私の場合の本音ですが、
  • アニメ、マンガ、ファンタジー大好きだー
  • もの作り楽しー
  • ネット楽しー
  • 一人黙々とマイペースが一番だなー
趣向の本音がこの辺で、
  • なんかもう一回立ち止まりたいわー
  • 就活嫌だなー
  • 会社だけの人生とか絶対嫌だわー
  • プライベートだけは譲れないわー
どうしたい、的な本音がこんな感じでした。
で、実際選び取った道が「無理やり就活続行、ぼろぼろになりながらもホワイトな会社のもの作り職に就く、プライベート優先で趣味はそっちでやろう」だった訳ですが、本心の大半を全力で無視しているのがわかります。(立ち止まりたいのに動き続けるとか、就活が嫌とか、好きなことは隠れてやろうとか)

当時の自分にとって力を尽くした選択だったので、後悔はしていません。
でも、本心にちゃんと向き合っていなかったこと、その結果後々苦労したことは確かです。

本心を満たす選択って難しいと思いますし、妥協したり、わからないままとりあえず進んでみたり、あーやっぱり違ってたなとか、全然あると思います。
ただ、どうか本心をないがしろにせず、耳を傾けて、それを核にして道を選び取るよう、意識してほしいと願ってやみません。
嫌々やることを人生の中心に据えないでほしい。
本心に沿った生き方の方が、能力を存分に発揮して気持ちよく健康に過ごせると思うんですよね。

***

というわけで、就活を柔らかい頭で考える試みでした。
長々とした文章にお付き合いありがとうございます。
この記事が少しでも誰かのお役に立てたなら幸いです。
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まなか
自己紹介:
創作や紅茶が趣味の元プログラマー。
新卒入社した会社を2年と1ヶ月で辞め、次のステップに向けて充電中。
マイペースに生きています。
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